海の安全を守る“海上保安官”。その中でも映画「海猿」で一躍有名になった「潜水士」とはどんな仕事なんでしょうか。今回は、第四管区海上保安本部に所属する潜水士さんにお話を伺います。
中部国際空港にある海上保安航空基地に停泊する巡視艇「いせゆき」。全長32メートル、中部国際空港近くの海を守っています。
潜水士が所属する第四管区海上保安本部の管轄範囲は、東海から中部地方の太平洋。担当水域は日本の面積と同じくらいの大きさです。そこで治安の維持や海難救助、交通の安全確保など多岐にわたり海を守っています。
潜水士の訓練の様子を見せてもらいました。まず、船首から潜水士たちが海に飛び込んでいきます。これから何が始まるのか聞いてみると…
加藤惇史さん(潜水士歴15年目): 「今から始まるのが『ロープ登り』です。これは救助現場に辿り着くための訓練です」
上釜美憂アナウンサー: 「すごいスピードですね!」
潜水士たちは、ウェットスーツや足ひれなどの装備をつけたまま、約3メートルの高さのロープを腕の力だけでよじ登っていきます。
ほかにも、重りを胸に抱えて海面上を背泳ぎする訓練も…。重りの重さは約10キロから20キロ。「立ち泳ぎ」と言って、重りを要救助者に見立てて、どんな時でも正常に泳げるように訓練しています。
潜水士になれるのは、海上保安官のわずか2%だそう。潜水士になりたいと思ったきっかけは何だったのでしょうか?巡視艇「いせゆき」の潜水士メンバーに聞きました。
岩崎竜介さん(潜水士歴5年目):
「先輩たちが勇敢に海に飛び込んでいく姿や、ヘリコプターで人を助ける姿を見て、そんな風になりたいと思って潜水士を目指しました」
西谷正行さん(潜水士歴9年目):
「僕は前職はトラックの運転手でしたが、ニュースなどで潜水士の姿を見て、同じフィールドに立ちたいと思いました」
佐藤大樹さん(潜水士歴2年目):
「先輩方がヘリコプターで救助訓練をやっているのを目の前で見て、潜水士になりたいと思いました」
―――逃げ出したいと思うことはありませんか?
「時にはありますが、助けを求める人の方がしんどいと思うので、気持ちで乗り切っています」
―――みなさん、すごく立派です!これからも頑張ってください!