名古屋大学(名古屋市千種区)にある「減災館」で小学生の親子40名が参加した「夏休みスペシャル減災教室」が開かれました。
「減災」というのは、ひとりひとりが意識して少しでも災害を減らすことです。
名古屋大学減災連携研究センター・センター長 飛田潤さん:
「子どもたちに楽しく災害について学んでもらうとともに、お父さんやお母さんと話し合う機会にしてもらいたい」
まず子どもたちは、「エムリバー」と呼ばれる実験装置で流れる水の働きを見ました。「エムリバー」というのは傾斜をつけた水槽に土に見立てた特殊なプラスチック粒を敷き詰め、上から水を流すことで人工的に川の流れを作り出すものです。
上から大量に水を流すと土の壁が崩れていき、下の方に置いてある家の模型を倒していきました。
名古屋大学減災連携研究センター・副センター長 田代喬さん:
「洪水のような水害が起こった時に、どんな恐ろしいことが起こるのか、ということを実体験することはなかなか難しいです。この装置で、洪水の時の水の流れがどんな風に普段と違うのかを学んでほしい」
子どもたちが、一生懸命に飛び跳ねて揺らしているのは地震計。減災館ではモニタリングシステムで24時間揺れを計測しています。
「いちにのさん!」で子どもたちが一斉にジャンプすると、揺れの数値が大きくなりました。
続いては「みんなをまもるカルタ」。災害から身を守ることを遊びながら楽しく学ぶことができます。
「近づかない 海から逃げて 津波がくるよ」
「揺れたらすぐに だんごむし」
「危険だよ 大雨 台風 川には行かない」
ゲームをしながら危険に対処する方法を覚えることができます。
災害が起きた時に慌てないように日ごろからの準備が必要。防災リュックに入れるものを自分で考えて災害に備えるコーナーもありました。
名古屋大学減災連携研究センター 岡田惠実さん:
「私の娘の場合ですと『お菓子』が欲しいなと、普通の防災リュックには入っていませんが、自分があったらいいなと思う物や、落ち着ける物を入れてほしい」
①飲料水 500ml×3~4本
②非常食 3日分(普段食べ慣れているレトルトパック)
③口腔ケア用ウエットシート 赤ちゃん用がコンパクトでオススメです。
④ヘッドライト 両手が塞がらないので安心
⑤レインコート ホコリを防いだり、防寒具としても使用できます。
⑥新聞紙朝刊1日分 折って紙食器に、丸めて骨折時の添え木に、体に巻けば防寒にもなります。
⑦ゴミ袋・ポリ袋各1パック 濡れたものを入れたり、手袋に使ったり、調理用にも使用できます。ゴミ袋はリュックに被せると水を運ぶこともできます。腐らないので多めにストックしておきましょう。
⑧ラップ 食器に被せると水の節約になります。応急手当にも活用できます。
⑨非常用トイレ自分用×7日分 コンパクトなタブレットタイプがオススメです。
⑩大判ハンカチ2枚(50cm角) マスクにしたり、止血帯にしたり、骨折した腕をつるなど活用できます。
⑪救急セット 常備薬や処方箋のコピーも。
⑫携帯ラジオ 手回し充電式のものは電池なしで聞くことができます。
①おもちゃ お気に入りのぬいぐるみや、何度も遊べるトランプ、間違い探しの絵本などがオススメ。
②おやつ シリアルバーや飴など、食べ慣れた好きな味を準備しましょう。
③家族写真、緊急連絡先の情報紙、母子手帳 なかでも情報紙や母子手帳は紛失した時に備えてコピーを取り、記録を普段から残しておきましょう。
―――災害が起こった時に自分ができることは?
参加した子ども:
「地震が来る前に周りのものをしっかり固定します」
「みんなの無事を確認することなら、私にもできる。(津波が起きたときは)高いところに避難する」
名古屋大学減災連携研究センター・センター長 飛田潤さん:
「自然の力はとても大きいですが、災害は意識をすれば減らすことができます。日頃から災害について学び、準備をしていきましょう」