レポート
2025.04.28

スナメリの生体についてもっと知りたい!最新の3Ⅾ技術を活用して中学生が研究成果を発表!

海洋や3Ⅾに興味がある全国の中学生を対象にした「海洋研究3Ⅾスーパーサイエンスプロジェクト」4期生の研究発表会が、2025年3月28日に東京ポートシティ竹芝で行われました。 全国から集まった中学生10名が、1年間かけて研究した成果を披露し、愛知からも中学2年生の堤清策さんが「スナメリ 生息地域による個体差について」をテーマにプレゼンテーションを行いました。 堤さんの研究内容は、スナメリの内臓を3Ⅾモデルで立体化すること。 スナメリについては、資料も少なく、分かっていないことが多いので、苦労の連続だったそうです。

研究発表を終えた堤さんに今の気持ちをインタビューしました。

■3Ⅾスーパーサイエンスプロジェクトを卒業して、今の気持ちはどうですか?

まずはほっとした気持ちです。そして寂しい気持ちが大きいです。5期生の募集が始まると聞いてうらやましくなりました。

■スナメリの研究で一番、難しかったところはどこですか?

肺や胃などの3Dモデル作成です。海洋生物は大好きなのですが、動いている姿が好きなだけだったので、今まで全く生物の内臓に興味がありませんでした。なので僕には気管と食道の関係などがすぐには理解できず書籍やウェブ上で調べたり、海洋大の中村先生に何度も確認し、吉本先生にサポートしていただいて何とか完成する事ができました。スナメリはまだわからない点が多く、資料探しも苦労しました。対面授業で東京に行った時に、個人的に国立科学博物館に行き、ミュージアムショップの人と一緒に書籍を探したりしました。

■工夫した点、苦労した点はどこですか?

【工夫した点】情報を集めるのに日本全国のスナメリに関係する水族館やその他の施設と電話やメールで直接やり取りをさせて頂いた事です。鳥羽水族館と南知多ビーチランドには現地に観察に行きました。特に鳥羽水族館の方に直接お話しを伺った事がヒントになり、発表の内容がどんどん膨らんでいきました。発表の中でも述べましたが、皆さんが中学生の僕にとても優しく丁寧に、現在知りうる限りの事を教えて下さって感激しました。

【苦労した点】最終的に発表したい事が多く、時間内におさまりませんでした。最初は20分を超えそうな内容だったので、削るのに苦労しました。また発表会当日、緊張し過ぎてとても早口になってしまいました。

■一番、楽しかった点、手ごたえややりがいを感じた点はどこですか?

4期のみんなと千葉に合宿に行けた事が1番楽しかったです。特に早朝に漁師さんの刺し網片付けの手伝いをさせていただけた事が印象に残っています。

3Dモデルの実物を、発表会当日に初めて手に取りました。その時に1番「頑張って良かった!」と感じました。入学式で玉骨標本を初めて手に取った時から作ってみたかったので感動しました。

■3Ⅾスーパーサイエンスプロジェクトに参加する前と後で、自分の中で変わったことは?

元々好きだったスナメリにより詳しくなりました。調べれば調べるほど初めて知る事がたくさんありました。

色々な人と関わる事で将来どうしたいという具体的な未来像が見えた様に感じます。先生方や、仲間たち、各施設の方と繋がる事が出来て物事を考える視野が格段に広がったと思います。将来なりたいものの選択肢が増えました。

もうひとつ、僕はボランティアサークル亀の子隊で伊良湖で海岸ゴミ拾いの活動をしているのですが、たまにスナメリの死骸が打ち上がる事があります。プロジェクトに参加する前は「かわいそうだな」と思う程度でしたが、「このまま埋めてしまうのでは無く、何か研究に使う事は出来ないのかな?」と考える様になりました。研究機関に引き取ってもらうのは立地的に難しい様で渥美半島のデータはあまり残っていないとの事です。僕が将来研究の仕事に就けたのなら引き取りに行きたいです。

■今回の経験を今後どのように、いかしていきたいですか?
僕がなりたい水族館の飼育員はとても希望者が多く、狭き門です。今回身についた3Dモデリングの技術や海洋の知識をこれからも磨き自分の強みにしていきたいです。そして夢がかなったらスナメリの展示コーナーを3Dモデルを使って作りたいです。

■あらためて、将来の夢は?
水族館の飼育員です。ですが、プロジェクトを経験して研究者にもとても憧れを抱きました。まだ知り得ぬ事を突き詰めて調べていく事に興味を持ちました。4月から受験生になりました。まずは海洋の事を深く学べる高校、更にその先の進学を視野に入れ頑張ります。

堤さんの夢と可能性は無限に広がります。
今回のプロジェクトでの人脈、経験をいかして、これからもたくさんの事にチャレンジしてください!

【堤 清策さんの研究発表はこちら】

堤 清策さん研究発表【海洋研究3Dスーパーサイエンスプロジェクト】

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