2023年5月1日、中部国際空港セントレアで、第四管区海上保安本部による水上オートバイ安全推進チームの活動出発式が行われました。
「官民が合同となった水上オートバイパトロール活動は、地域の安全やマナー向上を図る意味で大変有意義な活動です」 (第四管区海上保安本部交通部長 山本 一さん)
この式典は夏のマリンレジャーを前に、水上オートバイの事故防止やマナー向上を図るものです。海上安全指導員の水上オートバイ安全推進チーム5名と海上保安官21名が参加しました。
その中に万感の思いで訓示を聞く一人の男性がいました。海上安全指導員・鬼頭準二さん(73歳)です。鬼頭さんは、海上安全指導員として、17年間海を守り続けています。
海上安全指導員とは、民間有志による安全活動を行っている人を各管区海上保安部長が指名するものです。
月に2,3回、夏は水上バイク、冬は船で必ず海に出てパトロールをするという鬼頭さん。海上安全指導員になったのは、ある病気がきっかけでした。
「40歳くらいの時にパニック障害を起こして、その際勧められて海に出かけたら、少しずつ病気が楽になりました。その後小さい時から憧れだった船を購入しました。」 (鬼頭さん)
約20年前にプレジャーボートを購入。その後、船乗り同士の会合で、海上安全指導員制度のことを知ったそうです。
「本業は自動車整備ですが、海に出ることで少しは小遣いになるかなと思い、応募しましたが、完全なボランティアでした。」 (鬼頭さん)
鬼頭さんは2006年に海上安全指導員の資格を取得。2021年には海上保安庁長官から感謝状を贈られました。
「とまっている船やオートバイに近づいて『大丈夫ですか?』 と声をかけています。一人でも安全な海のレジャーを楽しんでほしいです。水上バイクが年齢的にだんだんきつくなってきました。でも、海や水上バイクが好きなので、もう少し海上パトロールを続けたいです。」 (鬼頭さん)