いま、愛知県蒲郡市で人工的に海藻を増やし、森を創る実証実験が行われています。竹島海岸の沖合600メートル、深さ約3メートルの海中を撮影すると、海中をゆらゆら泳ぐ海藻の姿が。
ジャパンジャスティス 代表 仲田幸正さん
「海の中の装置で育った海藻です。もともとは何もついていない状況だったのですが、ここまで育ってきました。」
「海藻の森を創る」実証実験は、2022年6月に始動。金属の電位差を使った海藻育成装置を海中に設置したところ、約1年たってこの装置に海藻が付着。小魚たちも集まってきました。
このまま海藻が増えると、植物は海水中に溶けている二酸化炭素を吸収。光を使って光合成した後、酸素を海水中に放出します。これにより、温室効果ガスの削減、地球温暖化防止の期待にもつながります。
三重大学 生物資源学研究科 岡辺拓巳准教授
「いま、日本全国の藻場の減少がいろんなところで報告されています。生えていた海藻はいろんな原因で減っていきます。魚にたべられる食害が大きな要因になっている場所もありますし、水産資源の減少も海藻の減少に伴って減っており、私たちの暮らしにも大きなインパクトを与えています。
(海藻育成装置の成果は?)想像以上です。海藻もきちんと付着し繁茂していますし、育っているので大きな成果だと思います」
現在「海藻育成装置」は三河湾の6か所に設置されていますが、海藻が多く付くところもあれば、少ない海域もあり、成果は一定ではありません。「海藻の森」が実現するには、もう少し時間がかかりそうです。
「そこに海藻が経ていろんな魚や生き物が住みついて、とてもいい状況になってきています。この装置がうまくいって地球環境を海からきれいにしていくことを願っています。」 (仲田幸正さん)