レポート
2022.04.06

名古屋の新定番なるか 人気えびせんべいからハンドクリーム

坂角総本舗の海老せんべい「ゆかり」は名古屋の定番土産としても有名です。

2022年2月に新しく創業以来初となる、スキンケアアイテムが登場しました。

そこには未来の海の環境を守り継ぐ意志がありました。

■エビ殻も貴重な資源

えびせんべい「ゆかり」は坂角総本舖の代表商品。

特に名古屋らしいパッケージの黄金缶は人気のある商品です。

「ゆかり」は1枚に7尾の天然エビを使用しています。エビはすべて手作業で頭を取って殻をむき、身だけを使用しています。そのため残った殻の活用は長年の課題でした。

20年以上前からエビ・カニ等に含まれる天然成分”キチン”に注目し、エビ殻の活用には取り組んでいました。

2021年には粉砕したエビ粉を入れたカレーパンやエビの殻を配合した飼料から育った卵を使ったプリンをイベントで販売したりもしました。

■殻の可能性をもっと広げたい

粉末での活用はできたものの、キチン成分をエビ殻から取り出すという技術は自社ではなかなかうまくいかなかったといいます。そこで鳥取大学でキチンを研究していた伊福伸介教授と出会い共同開発を行うことになりました。

そして特許技術でキチンを超極細繊維にすることで、これまでの粉末ではできなかった他の材料との配合や形成ができるようになりました。それによりこれまでは不可能だった新たな商品開発への道が開けるようになりました。

■こだわった坂角らしさ

食品や農業など、幅広い活用の可能性があるというものの、こだわったのはやはり愛知で長年えびせんべいを作り続けている”自分たちらしさ”でした。

天然エビを使用するえびせんべいの完成には、エビ漁を担う漁師は欠かせない存在です。冷たい海風に海水、荷下ろしなど厳しい環境の中で作業をしています。またその後の製造を担う人も同様に殻むき作業で冷たい水やエビのヒゲで手指を酷使しています。

そんな人に役立てたいと考え、ハンドクリームを商品化することになりました。1889年(明治22年)の創業以来初の試みです。

商品化まで2年がかかり、2022年2月に発売されました。商品名もずばりの「EBIKARA MIRAI」。

エビから(殻)未来への思いがつまっています。

■限りある資源を考えるきっかけに

EBIKARA MIRAIの使用感はすっと肌になじみ、まるで美容クリームのような塗り心地です。さらりとしてベタつかず、それでいて潤いはキープされています。すぐに家事や仕事をしていても気になりません。

気になる香りは…家庭や飲食店、医療現場など、どんな場面でも使えるようにと無香料。

幅広く年齢を問わず、手荒れに悩むすべての人が使用できます。また手だけではなく顔にも使用することができます。

他の人と差のつく目を引くインパクトのあるパッケージはプレゼントにもなりそうで、新しいお土産の定番となるかもしれません。

 

EBIKARA MIRAIは50グラム2970円(税込)公式オンラインショップで購入することができます。

 

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