レポート
2022.04.18

おしゃピクにも!エコな新素材容器『バガス』

愛知県の藤前干潟は伊勢湾の最奥部に位置し、潮の満ち引きにより多様な環境が作られることにより、多くの生き物が生息している大切な場所です。

藤前干潟

しかし周辺や海の岸辺にはプラスチックゴミが漂着し、生態系への影響が懸念されています。

藤前干潟周辺

そんなプラスチックのゴミを少しでも減らそうと取り組んでいる企業があります。名古屋市西区にある食品包装専門商社の株式会社折兼です。

折兼これまで多くの飲食店、スーパー、食品工場などにトレーや弁当・惣菜容器を提供してきました。

新しく開発した、植物由来の原料を使った環境対応容器は年々需要が高まっているといいます。

 

■新素材『バガス』容器とは?

環境対応容器である「バガス」は植物原料100%の環境にやさしい食品容器です。

サトウキビからトレーができ

サトウキビを搾った後に出る茎や葉などの搾りかすであるバガスを熱で溶かし、紙状の板にします。その後再度溶かし、竹や麦を混ぜ合わせ原料を作ります。その原料を成型することで誕生します。

廃棄される予定だった植物原料から製造されているので、使い終わった後は土壌でも海洋でも自然分解され、地球に戻るのだそうです。

■コストを抑えて多くの人に

バガスは2019年2月から発売。当時から海洋プラスチックゴミが問題視されていました。

多くのプラスチック商材を扱う折兼でも何か新しい容器は作れないか、というのが開発のきっかけでした。

開発時点ではコストが非常に高く、市場では受け入れられませんでした。ユーザーからも、「環境にやさしいのは分かるが、継続して使用できない…」といった声でした。

そこで生産工程を見直し、現状ではプラスチック容器よりコストは高いものの、受け入れてもらえる範囲内のコストまでになりました。

バガス製造

発売当初は出荷量が伸び悩んでいましたが、年々環境への意識が高まり、徐々に販売数を伸ばしています。2021年2月には月平均20万枚を出荷。累計で65トンのプラスチック削減につながりました。2022年2月時点では前年比2倍ほどの推移を続けています。

 

電子レンジの使用も可能で耐油・耐水性もあるため、最近では冷凍弁当業界にも取り入れ始めているそうです。

■植物由来の良さ生かした弁当演出

バガス容器は自然の風合いを演出した自然食との相性の良さがあります。見た目からエコが伝わりやすく、お客様への訴求も効果的。そしておしゃれさもあります。

バガス容器

しかしまだ課題も残ります。現状多くのバガス容器は中身が見えません。そこでユーザーは本体バガス+蓋プラという組み合わせでの使用も多いそうです。これだけでもプラ削減効果は半分、重量でいうと半分以上の効果があるといいます。容器素材の良さを理解してもらい使用してもらうことが重要といいます。

■「バガス」その先へ

折兼ではバガス容器を食にまつわる関係者に販売するだけでなく、一般消費者に向けた取り組みも…

使用後の容器をコンポストで堆肥化し、肥料として活用し野菜を育てるフードサイクリングというさらに一歩先に進んだ循環活動の提案を行っているということです。

海や川にゴミを出さない、流さないという一人一人の意識が自然を守っていきます。

折兼は海と日本PROJECTに参加しています

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