愛知県常滑市沖にある中部国際空港。通称「セントレア」。
2005年に開港以来、数々の航空会社が就航する海上国際空港です。開港後からある問題を抱えていました。空港島周辺で大量発生する海藻、「アカモク」です。日本各地の沿岸に自生する海藻で、春にかけて3メートルから6メートルまでに成長します。周辺を行き交う船のスクリューに絡まり動けなくなるなど、地元の漁業関係者の間では“厄介もの”と言われていました。
この海藻を何とか資源として活用できないかと空港会社は様々な調査を行いました。
調べてみたところ、鉄、亜鉛、ポリフェノールやフコイダンといった栄養成分が豊富であることを発見。これを食用として地元の名物にできないかと地元の漁協に提案。地元も協力に動き出しました。
収穫したアカモクの汚れを取り、お湯で茹でます。一瞬で鮮やかな緑色に変わります。そして食べやすいようにカット。強い粘りに、シャキシャキ食感であとひくおいしさになりました。
今では地元のショッピングセンターをはじめ、常滑市以外のスーパーでも販売されるようになりました。飲食店の食材としても利用されています。地元の老舗うどん店、三角庵では「アカモクうどん」が味わえ、常滑の新たな地元めしとして人気です。さらに名古屋市の学校給食では“アカモク入り餃子”が採用されるなど、広がりを見せています。厄介ものは今や常滑の名物となりました。とこ丸 鯉江光隆さん:
「アカモクが海の環境保全のためにはものすごく大事な海藻だと思っているので、可能性の多いアカモクを海をきれいにして過ごしやすい海にしていければと思います」
資源としての活路を見出したアカモク。更なる飛躍に期待です。
アカモクはイオンモール常滑で販売しています。