日本財団と東京大学は、コバルトやニッケルなどのレアメタルを含む「マンガンノジュール」と呼ばれる鉱物が密集している海域を、小笠原諸島の南鳥島沖で特定。商業化に向けた採取計画を発表しました。
実証実験を行う研究チームは、排他的経済水域内にある南鳥島沖で鉱物を引き上げる装置を船から海底に落下させ、水深5500メートル付近を調査しました。その結果、電気自動車の蓄電池などに利用されるコバルトやニッケルを含む鉱物「マンガンノジュール」が、約2億3000万トン存在すると見積もられました。
コバルトは約61万トン、ニッケルは約74万トンが含まれると試算され、それぞれ国内消費量の75年分と11年分に相当するそうです。
日本財団 会長 笹川陽平さん:
「IT時代を支える貴重なレアメタルの含まれた鉱物資源が、日本に存在します。資源大国になる可能性がありますね」日本財団 常務 海野光行さん:
「5000メートルの海底からマンガンノジュールを引き上げることは、鉱物資源を使った産業の機運づくりにもつながります」
電気自動車やスマートフォンの増加によって、リチウムやコバルト、ニッケルなどの海底資源(レアメタル)の需要が拡大。安定的に供給できるようにするためには、供給源の多角化や国産化が求められています。今後も海底鉱物資源の開発に注目が集まります。