最新の3D技術を活用した海洋生物の研究を通じて、将来さまざまな分野で活躍できる人材を育成する「海洋研究3Dスーパーサイエンスプロジェクト」。同プロジェクトの3期生による研究発表会が、3月に行われました。
「海洋研究3Dスーパーサイエンスプロジェクト」とは、3Dや海の生物に興味のある中学生が、最新の3D技術を用いて海にまつわる研究を行うもの。3年目を迎えた今回は、研究生の募集を全国に拡大。より多くの中学生が、最新の3D技術について知見を深められるようになりました。
3D主任講師 吉本大輝さん:
「今までは関東圏だけでしたが、(研究生の)募集を全国に広がりました。皆さんがしっかりと3Dや科学分野を勉強して、いろいろなアウトプットができるようになりました」
今回、研究の成果を発表したのは全国から集まった11人の中学生です。自分が知りたい海洋生物などのテーマを決定。約8カ月間にわたって3D技術の研修や学習を行い、3Dモデルを作製しました。
愛知県半田市から参加した渡邉翔さんの研究テーマは、深海に生息する「ミツクリザメ」。古代のサメの特徴を残していたことから “生きた化石”とも呼ばれています。
渡邉さんが会場で高評価を受けたのは、ミツクリザメのあごの部分。骨格標本とは違い、あごを動かせる可動型の標本に工夫。3Dならではの技術が生かされていました。
渡邉翔さん:
「今回、3Dの技術を扱うのは初めてでした。このプロジェクトを通して好きになったり、趣味になったりしたのがいいことだと思います。3D技術を使って、思い通りのことができるので、これからも研究や工作をしたいです」
日本財団 常務理事 海野光行さん:
「今回のプロジェクトで、知識のベースになる海の研究ができたと思います。それをどのように活用して発表していくのかも、ある程度経験ができました。彼らと一緒に海の中に潜って、新種などを発見できるとうれしいですね」