レポート

愛知の海のごちそうをのぞいてみたら・・・伝統“つくだ煮”づくり

本はぜ甘露煮

日本固有の食文化である“つくだ煮”や“甘露煮”。

伝統の味と技を守りつつ、新しいことにも挑戦し進化するつくだ煮づくりに密着してみると、そこには海の資源を大切にする動きがありました。

■じっくり、ゆっくり・・受け継がれる伝統

愛知県豊橋市にある平松食品。今年創業100年を迎える、つくだ煮作りの老舗会社です。

平松食品

つくだ煮づくりは原材料にこだわり、一度乾燥させて水分を適度にし、片面ずつじっくりと焼き上げ余分な脂分を落とし切ります。

焼き

そして手作業で調味液が浸透しやすいよう放射線状に釜詰めし、一晩寝かせます。

釜詰め

一晩寝かした釜を2~3時間かけ、じっくりと様子を見ながら炊き上げます。

炊き

最後の仕上げは職人の勘。釜から滴り落ちるタレの粘度を見て釜の火を止めます。

そして味をしみ込ませるため一昼夜寝かせます。

 

創業時から『魚煮籠(うおにかご)』と呼ばれる細かい竹や細く割った竹を編んで作った籠で魚を煮ています。

魚煮籠

天然のしなりがある魚煮籠で釜炊きすることにより、焦げることなく魚の身の崩れが少ない、おいしいつくだ煮ができあがります。

 

仕上げに寒天類が含まれたかけタレでコーティングすることで、菌からつくだ煮を守ります。先達からの知恵です。

甘露煮

1つの製品ができるまで「焼き」・「炊き」・「仕上げ」と3日間の手間隙かけて作り出される、色と照り。これぞ伝統の逸品です。

 

■ユニークなコラボ商品も

魚を使った商品は伝統的なつくだ煮だけではありません。

愛知丸じゅれ

『愛知丸が釣ったまぐろとしょうがのごはんじゅれ』は愛知県蒲郡市の三谷水産高等学校とコラボした商品です。

三谷水産高生徒たちが実習船で一本釣りしたマグロを使い、「揺れる船でもこぼさないご飯のおともが食べたい!」という高校生たちの願いを形にした、つくだ煮のタレをジュレ状にした一品です。

じゅれ

 

■商品づくりだけじゃない 魚をまもる活動も

『三河産 本はぜ甘露煮』。

本はぜ甘露煮正月

ハゼの顔が翁に似ていて、“長寿”を意味することから、お正月の祝い膳を飾る一品として親しまれています。

ハゼ翁

しかしこのハゼ、漁師の高齢化により漁獲量の減少が続いているといいます。

マハゼ

そこで平松食品では伝統の味を守るため、釣りを楽しむ人から三河湾産のマハゼの買い取りを始めました。

マハゼ釣り

今年も7月16日~10月末まで行われています。買い取り金額は100グラム70円。魚があってこそ伝統の甘露煮を作ることができます。

買い取り

受け継がれる伝統の技と道具から生み出される海のごちそう。

限りある大切な資源を守っていきたいですね。

マハゼ2

 

平松食品ホームページ

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